「邪魔だ、薬師」
「薬師じゃないですよ。アタシの名前はティーです」
「ほう、薬師ではない、と。ついに化けの皮が剥がれたな?」
「おっと、そうきましたか」
町の外れにある彼の家まで挨拶に来たが、案の定の態度だった。
彼の懐柔に、まだ時間がかかることは想定済だ。
「で? その明らかに偽名な誰かさんは、私に何の用だ?」
「そりゃアタシの名前は、あ、それよりも聞いてくださいよ! アタシ、すっごくいい方法を見つけたんですよ!」
彼から少し距離を取って、すっかり手に馴染んだ草刈り鎌を取り出す。
「素材を刈る際に、近くにモンスターがいたら、同時に狩りとる! これでスタミナ節約できて一石二鳥! なんと効率的!」
「そうか。今日も元気だな」
「えー。なんですかそのどうでもよさそうな顔はー」
「本当にどうでもいいからな」
なんだか辛辣さが増している気がする。
いや、こんなことでアタシはめげないぞ。
「そんなに効率的なことが好きなら、私の古臭い医術は非効率だと、心の中では呆れているのだろう?」
「まさか。アタシは確かに効率優先ですけど、人に押し付けることはしませんよ。それこそ無駄なので」
すると、彼は口の端だけで、フッと笑みをこぼした。
「どうやら少しはまともな人間のようだな」
「お、好感度アップしました?」
「誰がするか」