Potion Permit

14話 早とちり

きっと泣くだろうな、と想定していた。 彼女から告白をされたら、どう対応しようか。 泣いたら、どう言葉を投げかけようか。 その準備は、悲しくも役に立ってしまった。『この話は、なかったことにしようじゃないか』 用意していた言葉を並び立てていた時...
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13話 愚痴

家を出た。 嫌になるぐらい、朝日が眩しい。 鞄の中には、無理やり押し込んだラベンダーと、底に転がったムーンブローチ。「あーあ。フラれちゃった!」 想定はしていたのだ。 拒絶される可能性が無いだなんて、考えてはいなかった。『私を想ってくれるの...
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12話 特別

今までの中で、一番自分を追い込んだかもしれない。 体力も気力も底をつきそうだ。 疲労困憊のまま夜道を歩き、何とか目的の家のドアをノックする。「こんな時間に何の用だ、薬師」「ごめーん。今日はいろいろあって、疲れ切っててさー。ちょっと休ませてく...
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11話 効果

これは、悪夢だ。 今までに何度も見た光景だ。 悪夢だと分かっているのに、アタシは目覚めることも出来ない。 炎が舞う。 村中が、赤色に染まる。 空すらも、焼き焦がす。 どす黒い赤が、全てを壊していく。 アタシにやさしくしてくれたものを、すべて...
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10話 ちょっと親友

酒場の隅で一人、夕食の時間を楽しんでいた。「お、呪術医さんもいるじゃん。こーんばーんはー」「食事中だ。静かにしろ」 細目の男が、通りがかりに声をかけてきた。 その隣に、同伴者らしきツリ目の女性が居た。「へー。ジュジュツイサンって名前なのね。...
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9話 ただの友人

呪術医は、自然を大事にすべし。 先祖代々からの教訓だ。 だからこそ、私は日々のルーティンもきっちりと守る。 睡眠は決まった時間にしっかりと確保、自然観察は毎朝行う、休憩時間のお茶も丁寧に淹れる。 そんな愛すべき日常に、雑なノックの音が入り込...
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8話 引退

無事に薬は完成した。 マテオの家で、薬効の実証も終わった。 これで任務完了だと、胸を撫でおろした。 その矢先だ。「では、私は引退するとしよう」「えっ!?」 人生で一番の大声を出した気がする。 寝耳に水、とはまさにこのことだ。「ははっ、初めて...
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7話 信頼

市長室に集まるように、マテオから呼び出された。 アタシと市長に大事な話があるそうだ。 が、当の本人が約束の時間に遅れていた。「キミたちは、今でも仲が悪いのか?」「アタシは仲良くやっているつもりですよ」 市長の雑談に、アタシは笑い返す。 最初...
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6話 笑顔

熊が、原野の入り口付近で徘徊していた。 二人で風下の木陰に隠れて、熊の様子を伺っていた。「迂回しましょうか?」「いや、あれは村に近すぎる。入り込まないうちに、駆除したい」 彼と原野で出会った帰り道、一緒に村に戻ることになった。 このままでは...
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5話 呪術医

「おや、マテオさん。原野で出会ったのは初めてですね」「キミも素材探しか」 原野はモンスターも野生動物も徘徊しており、一般人が入ることは少ない。 彼も調査のために原野に赴いていると聞いていたが、実際に見たのはこれが初めてだった。「アタシは、熊...